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糖尿病科 専門医のドクタートーク

石原医院 (石原 宏尚 院長)

石原医院は、約35年以上前から藤沢市高倉の住宅内に位置する一般内科です。平成9年より、父の意志を引継ぎ現在も地域医療に貢献しています。糖尿病の運動療法は、無理せず自分のペースで、強さは息が切れるくらいだけど何とか会話ができるくらいが良いと思います。運動時間は30分から1時間、これを毎日欠かさず行う事、エアロバイクは運動療法の基本を上手くこなせますし、実際入院患者さんの運動療法にも使用されています。地域に密着した診療機関として、最新の医療情報を提供し、病気や診療法、病気の予防などをわかりやすく掲載しています。





Vol.1 インスリンの燃費効率

ご夫婦が糖尿病で通院している奥さんから「先生から言ってやってください。
こんなに太って。家の人はあたしの言う事なんか聞かないんだから・・・。
「はあー、でも奥さんの方が血糖悪いですよ」・・・恐る恐る応えると
「そんな事あるはず無いでしょう!」  思った通りの反応が…。
外来でこんな事がよくあります。節制している人の方が血糖悪いなんて。理不尽ですね。
でも、あり得るんです。

血糖はインスリンという 臓から出てくるホルモンで調整されています。
では、糖尿病の人は、なぜ血糖が上がるんでしょうか?
肥満、過食、運動不足、ストレスといった状態はインスリンが効きにくい体を作ってしまいます。
また、インスリンがどれだけ出せるかは、遺伝的な体質で決まります。

例えば体重が5kg増えたとします。
インスリンが100出せる人は、血糖を下げることが出来ても、インスリンが10しか出せない人は、血糖を下げられなくなってしまいます。インスリンが5しか出せない人は、3kg増えただけでもインスリンが効かなくなって血糖が上がってしまうという具合です。

来院されたご夫婦は、ご主人は肥満があるけどそれに打ち勝つだけのインスリン分泌能力があり、奥さんの方は体型上インスリンの効きやすい状態でも、インスリン自体があまり出ていなくて、血糖が上がってしまっているという事です。

では、ご主人の勝利でしょうか?
ところがそうではないんです。


インスリンの効きにくい状態や血液にインスリンが必要以上に多い状態だと、血糖値なんか関係なくその状態だけで動脈硬化が進んでしまい、糖尿病にならなくて心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまうことが解ってきました。いわゆるメタボリックシンドロームです。ですから、肥満のある人は減量をしなければなりません。糖尿病であればそれだけでも動脈硬化が進みますから、このご主人はダブルパンチで動脈硬化が進んでいるので非常に危険な状態なのです。

実は、糖尿病の治療でも
1.インスリンを増やしてあげる治療と
2.インスリンの効きをよくしてあげる治療があります。
治療の組合せで、インスリンの燃費効率よく血糖を下げることが大切であり、減量や運動といった患者さん自身の協力が不可欠なのです。
ご協力よろしくお願いします。


2.インスリンの燃費効率/血糖はインスリンという 臓から出てくるホルモンで調整
1.糖尿病や肥満で運動療法を行っている患者さんの梅雨時期の運動方法



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