Vol.3 潰瘍性大腸炎 外科的治療
今回は、外科的治療について述べてみたいと思います。
絶対的適応(必ず手術を要するもの)としては、
@全身症状の急性増悪:重症型で強力静注療法に抗する例、激症型で早期に好転しない症例
A重篤な急性合併症:大腸穿孔・急性腹膜炎、中毒性巨大結腸症、大量出血
B大腸癌の発生、もしくは発生を疑う場合が考えられます。
また、相対的適応(必ずではないが、手術を勧めるもの)としては、
@難治例のうち入退院を頻繁に繰り返し、QOLが著しく損なわれる場合
Aステロイドによる重症副作用が発現する恐れがある例
B大腸外合併症
C大腸合併症などが考えられます。
この中で特に緊急手術となり得るものとしては、絶対的適応である大腸穿孔・急性腹膜炎・中毒性巨大結腸症・大量出血があり、この場合は夜中であっても手術をする必要があります。
手術の時期においては、上記の緊急手術の他に、待機的手術(日程を予め決めて手術を行うこと)があります。現在日本では、3つの術式が行われています。
当院では【3】を行うことにより、残存直腸粘膜を無くし、根治性を高めることを目指しています。
いずれにしても、内科と外科とが協力できる施設にて、よく医師に相談されることが最善と思われます。
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