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形成外科 専門医のドクタートーク |
青木形成外科クリニック 青木文彦 先生のドクタートーク 形成外科の専門家としての経験を基に、治療法を提案、身体に関するお悩みにお応えします。また、地域に密着した診療機関として、最新の医療情報を提供し、皆様のお役に立てるよう努めます。 |
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Vol.24 形成外科医のつぶやき マスコミやネットによる医療情報の功罪 近年、従来のマスコミ情報のみならずインターネットを介して様々な情報が誰でも得ることができるようになり、医療情報も単なる一般的な知識だけでなく専門家が得るような情報や、リアルタイムの最先端情報なども容易に得ることができます。それはそれでいいことだと思いますが、医療の現場ではそれがかえって災いすることも多いものです。 人間の体を扱う医学はそれこそ膨大な量の理論的背景をもとに成り立っているわけですから、ひとつの出来事のみをとらえて解決することはできないものです。例えば政治・経済の世界なども同じだと思います。 確かに税金や物価が安くなるのはいいことでしょう。定額給付金ももらえるものならもらいたいと思うでしょう。 でもその財源は?国の収入が少なくなればそれこそ様々な方面で問題が起こるでしょう。雇用打ち切りも出るでしょう。企業倒産も出るでしょう。治安も悪くなるでしょう。などなど数え切れない問題点が噴出するでしょうね。 政治・経済の専門家はそういった点を多方面から分析して結論を出すんだと思います(まあ、現在の政治家の行動は…?ですが)。それと同じで現場の医師たちは患者さんの問題点を見つけたときには、それを解決しようとする時、他にどのような別の問題が起こるのかということを考えて治療にあたります。 ところが医学知識を持たない患者さんは、テレビの誰々はこういった症状は○○病だから○○すれば治ると言っていたとか、インターネットには○○病の原因はこう書いてあった。などなどそれこそフムフムとうなづけるものから、えぇっ−?っというものまで実に多くの情報を提供してくれます。でもね!ちょっと待ってください。人間の体ってそんなに単純なものでしょうか? あるひとつの症状を取り上げても、それに付随する出来事がそれこそ無数にあって、分厚い専門書が何冊も必要なことを限られた時間の番組で解説してもそりゃあ無理でしょう。 1−2ページのネット情報じゃ「木を見て森を見ず」でしょう。つまりそういった情報はたとえ確かな情報であっても、それをそのまま単純には自分に当てはめられないことの方が多いのです。ましてや広告的な意味を持った情報は都合悪い部分は表現していませんし、テレビ番組では視聴率を上げるために興味を引く内容に編集されています。 ところがこれらの多くは患者さんにとても強いインパクトを与えます。そうやって刷り込まれたインパクトが強い記憶はしっかり頭に残り、たとえ現場の医師がどれほど懸命に説明をしても頭に入ってきません。 患者さんは医師の説明に対して首を傾げ、医師は「なんでわかってもらえないんだろう?」とジレンマに陥ります。これって患者さんにとっても医師にとっても不幸なことではありませんか?もちろんそういった情報が間違っていると言っているわけではありません。単純に一人ひとり異なる患者さんに当てはめることはできないということを理解してほしいのです。 (思いつくままに記したつぶやきです。不適切な表現があればどうかご容赦ください。) |
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