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内科 高橋先生のドクタートーク

<HTLV-1について>
HTLV-1とは、human T-cell leukemia virus-1(ヒトTリンパ球向性ウィルス1型)の略で、HTLV-1に感染すると、ウィルスは生涯にわたり体内にとどまることになります。

現在、日本には約100万人のHTLV-1キャリア(HTLV-1を持っていて、ATLやHAMなどの病気を発病していない人)がいるといわれています。

HTLV-1キャリアのうち、1〜3%程度の人が数十年(30〜50年後が多い)という長い経過を経て、ATL(adult T-cell leukemia/lymphoma:成人T細胞型白血病/リンパ腫)やHAM(HTLV-1-associated myelopathy:HTLV-1関連脊髄症)といったなかなか治りにくい病気を発症するといわれています。

感染経路は、母子感染、特に母乳を介したものが最も多く、その他には性交感染、輸血感染によるものもあります。ただし、献血に対するHTLV-1スクリーニング検査が1980年代後半に導入されており、現在では、輸血による感染はまず起こらないといってよいと思います。

妊婦さんがHTLV-1キャリアであった場合、母乳哺育をどうするのか主治医の先生と相談する必要があると思われます。一方、性交感染などにより成人になってからHTLV-1キャリアになった人は、ATLなどを発症する確率はかなり低いと思われますが、心配なら一度専門の医師にご相談されてもよいかと思います。



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