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内科 石川先生のドクタートーク

喫煙の弊害と禁煙
1980 年代に全盛期だったドラマ西部警察で巽刑事役が犯人を追い詰めて逮捕し一服しているシーンを館ひろし氏が演じておりましたが、なんと格好良いこと。ハードボイルドイコール喫煙というイメージが勝手にその当時の私の脳に焼き付いておりました。そんな館氏も今ではファイザー製薬のCMで、禁煙外来に後輩の石原軍団を引き連れて登場しております。ご自身もCMに出演し禁煙成功しました。このシーンも格好いいですよ。

それでは、なぜ禁煙がそれ程大事なのでしょうか。

喫煙は約200種類の有害物質を体内に吸入することでありとあらゆる疾病に罹ってしまうリスクを持っております。そのため喫煙を続けると、吸っている人はもとより、周囲の同居者、乳幼児、また妊娠している時に吸うと胎児の健康にも影響を及ぼします。前者を能動喫煙、後者を受動喫煙といいます。

どんな病気を引き起こすかと申しますと、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳梗塞・くも膜下出血などの脳卒中、高血圧症、足の動脈がつまってしまう閉塞性動脈硬化症、バージャー病といった末梢血管疾患。呼吸器疾患では肺癌、慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、肺に穴が空いてしまう自然気胸など。女性では、生理痛の悪化、月経周期の不整、早期の閉経、不妊症の原因にもなります。先ほども記述しましたが胎児の発育障害、早産、妊娠合併症、流産なども起こると言われています。歯科でもう歯や唾液腺異常など口腔疾患も起こってきますし、メタボリック症候群、皮膚のしわなど病気を挙げていくときりがありません。大腸がんと乳がん以外のがんはすべてたばこがリスクになるとも云われております。

世界の国々はタバコの危険性について把握しており、禁煙は最も確実に疾病を減らすことの出来る方法と認識しタバコに高い税をかけて対応しております。欧米のタバコの値段は日本の2-3倍はします。ノルウェーはなんと3.5倍の値段がつき、日本円に換算しますと1050円位します(2010年10月現在)。世界保険機構WHOはタバコ規制の条約を採択しており日本の政府もようやくたばこの増税、タバコ広告の規制や包装の警告表示の変更、タスポなど利用した自動販売機での販売制限、路上禁煙の推進など行うようになりました。なかでも神奈川県は他の都道府県に先駆けて公共の場の禁煙条例が制定され、第1種施設(病院、学校、劇場、官公庁など)の原則禁煙、第2種施設(飲食店、ホテル・旅館、カラオケボックスなど) の禁煙または分煙となりました。さらに藤沢市は条例制定に帆走されました長谷内科医院の長谷章先生がいらっしゃることもあり禁煙外来を開設している医療機関がその他の地区よりも多くあります。この藤沢総合診療研究所の内科担当先生も多数開設していますので、是非相談してみて下さい。

次は禁煙外来の概略を説明いたします。
まずは、患者さんが禁煙を思い立って下さい。自分自身に禁煙のやる気がありますと、禁煙成功率がぐんとアップします。これは禁煙に対する準備期といい、医療機関は禁煙へ前向きになっている気持ちを後押しすることが出来るのです。その気持ちをもって外来へ来院して下さい。禁煙開始に少しずつ自信を深め、あとは実行期と呼ばれる内服などを投薬し禁煙治療が開始されます。

禁煙薬にはニコチンガム、ニコチンパッチといったニコチン代替療法剤とバレニクリン(チャンピックスR)があります。前者はタバコに含まれる物質のニコチンのみを口腔粘膜や皮膚より吸収させ禁煙で引き起こるニコチン離脱症状を軽減させ禁煙を補助する仕組みです。一方バレニクリンはニコチンを含まず、脳内のα4β2ニコチン受容体に結合し部分作用薬として作用し禁煙に伴う離脱症状やタバコへの切望感を軽減します。また服用中に再喫煙をすると拮抗薬としても作用しα4β2ニコチン受容体に結合するのを阻害し、禁煙から得られる満足感を抑制します。要するにタバコを吸いたくなくなり、吸っても味気がなく感じタバコから距離をおくことが出来ます。バレニクリンは自力での禁煙に比べ3.1倍禁煙しやすいと海外から報告があり、また製薬会社の国内データでは3ヶ月後の禁煙達成は65.4%と報告があります。当院でも患者様の頑張りがあり約9割の禁煙成功者が誕生しております(2011年8月現在)。

統合失調症、双極性障害、うつ病などの精神疾患のある患者さんや、重度の腎障害、血液透析を受けている患者さんにはバレニクリンを投与する際注意が必要なのでご相談下さい。また保険での治療にもいくつか制限がかかります(禁煙の同意・1日の本数x年数・ニコチンに対する依存の程度)が、保険で対応いたしますと5回診料の合計費用は初診料、再診料、ニコチン依存症管理料、院外処方箋料、薬剤費で3割負担ですと約17,000円となります。ちなみに自費治療を選択しますと約57,000円です。タバコ40箱程度の金額で禁煙に成功すれば、もうタバコ代はかかりません。今までは家庭の事業仕分け対象と思われるタバコ代が禁煙をすることで節約できますので、経済効果も伴ってくるでしょう。

タバコをやめることで健康な体を手に入れることが出来き、またお金も貯まる。まさに一石二鳥の状態です。思い立ったら是非禁煙外来へ足を運んでみて下さい。館 ひろし氏のように格好良く禁煙しましょう。





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