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内科 高橋先生のドクタートーク

<貧血について>

貧血とは、血液中の赤血球やそれに含まれる血色素(ヘモグロビン)の濃度が低下した状態をいいます。一般的には、ヘモグロビンの濃度(g/dl)で判断していきます。このヘモグロビンの濃度が、成人男性で13g/dl未満、成人女性で12 g/dl未満だと貧血といえます。

ヘモグロビンというのは、息を吸って取り入れられた酸素をいろいろな臓器に運ぶ役割をしています。このため、貧血になると様々な症状が出てきます。よくある症状は、めまい・動悸・息切れ・易疲労感・倦怠感・顔色不良などです。貧血が進行していくにつれていろいろな症状が出現したり、症状の程度が強くなったりしますが、特に出血などで急激に貧血が進行した場合、症状がより強く出て、早く手当てを受けないとショック状態に陥ってしまうこともあります。逆に何ヶ月あるいは何年もかけてゆっくりと貧血が進行した場合、体が低酸素の状態に慣れてしまい、ヘモグロビンの濃度が6 g/dl未満となっても本人がまったく症状を訴えないケースもあります。このような場合は急を要することはほとんどありませんが、体に不利益を生じているのは確かであり、貧血の治療を行っていく必要があります。

次に貧血の原因についてですが、一番多いのはみなさんご存じの鉄欠乏性貧血です。これは、出血や極端なダイエットなどによる鉄の摂取不足が原因で起こります。極端なダイエットによる場合はきちんとした食生活を送ることが重要なのは言うまでもありませんが、それ以外の場合は鉄剤の内服(場合によっては静脈注射)によって治療を行っていきます。それと同時に出血等の原因を調べていく必要もあります。

鉄欠乏性以外の貧血も実はたくさんあります。再生不良性貧血・溶血性貧血・悪性貧血・腎性貧血などです。それぞれの病気につきましては今回お話ししませんが、重要なことはこれら鉄欠乏性以外の貧血に対し鉄剤の治療を行ってもまったく効果がないということです。したがって、貧血を認めた場合、それが鉄欠乏性によるものなのかどうかをまず見極めることが大切ということになります。

よく「脳貧血」という言葉を耳にしますが、これは脳を循環する血液の量が一時的に減って、立ちくらみやふらつきといった症状を引き起こすもので、今回ここでお話しさせていただいている「貧血」とは異なります。




高橋先生のドクタートーク(病気・診療の話)

4.「第6回藤沢の医療を考える集いに参加して・・・

3.多発性骨髄腫という病気をご存じでしょうか

2.内科医の立場からHTLV-1についてお話ししてみたいと思います






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